Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.163 Zeichen · 25 Bildschirme
「なるほどな」
「お喜美が伊賀屋の伜と安松を振り捨てて、いよいよ田原屋へ嫁入りすると決った。伊賀屋の伜源三郎は諦めもするでしょうが、磯の安松は賽ころの目に賭けても引っ込むわけに行かない、――阿魔ッ、ただは置くものか――と牙を磨いているところへ、仙台様のお忍びで、都合よく鼻の先の芝口の路地に、花嫁の駕籠が停った」
「待ってくれ、八。そう言うと仙台様が磯の安松に加担でもしたように聞えるが――」
平次は横槍を入れました。
「そこがそれ都合よく、あの路地のところへ差しかかったとき、仙台様が――」
「物事はそう都合よく行くものじゃないよ――仙台様が折よくお忍びで通りかかったにしても、路地の中に入れた駕籠には二三人の人が付いていた筈だ。その隙を狙って扉を開けた上、花嫁の懐中から守り刀を奪い取って胸へ二度も突き立てるなんて器用な事は出来そうもないぜ」
「ヘーッ」
八五郎も少し困りました。
「その上、花嫁の膝の上へ、行儀よく鞘を置いて来るなんざ、磯の安松がどんなに胆のすわった野郎でも、容易に出来ないことだ」
「でも、親分。あの野郎は――」
「まア宜い、行ってこの眼で見る外はない」