Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.006 Zeichen · 25 Bildschirme
痣のない人間は江戸中に多過ぎますよ」
「馬鹿だなア、そんなことじゃ何年経ったって熊吉が挙がるものか。どこをいったい捜し廻ったんだ」
「神田、浅草、下谷、小石川を一円」
「熊吉の荒らして歩く場所ばかり狙ったのか。――そいつは、無駄だよ。江戸の町には木戸もあり番所もある。泥棒道具を持って夜更けに歩くのは骨が折れるだろう。痣の熊吉が宵の口ばかり狙って押し込むのは、遠いところから来て、遅くならないうちに自分の家へ引揚げるためじゃないか」
「なるほどね」
平次の狙いはさすがに非凡でした。
「俺は痣の熊吉の押し込んだ家というのを、江戸の絵図面に印を付けてみたが、不思議な事に本郷を真ん中にして扇形に拡がっている」
「…………」
「痣の熊吉は本郷では一軒も荒らしていないだろう。――これはどういうわけだ。解るか、八」
「解りませんよ。――それとも本郷は暗剣殺に当るかな――この方角はよろずの事悪し、火難盗難慎むべし――と三世相に書いてある」
「無駄は止せ。――痣の熊吉は本郷に住んでいるんだよ、八」
「ヘエッ」
「地元を荒らすと足が付くと思っているんだろう。探すなら本郷を捜せ」
「本当ですか、親分」