Japanische Klassiker mit Furigana
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に、さんば――じゅうに、さんば
鏡花短篇集
泉 鏡花
Lesen Sie 鏡花短篇集 (に、さんば――じゅうに、さんば) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.305 Zeichen · 66 Bildschirme
これで、羽を馴らすらしい。また一組は、おなじく餌を含んで、親雀が、狭い庭を、手水鉢の高さぐらいに舞上ると、その胸のあたりへ附着くように仔雀が飛上る。尾を地へ着けないで、舞いつつ、飛びつつ、庭中を翔廻りなどもする、やっぱり羽を馴らすらしい。この舞踏が一斉に三組も四組もはじまる事がある。卯の花を掻乱し、萩の花を散らして狂う。……かわいいのに目がないから、春も秋も一所だが、晴の遊戯だ。もう些と、綺麗な窓掛、絨毯を飾っても遣りたいが、庭が狭いから、羽とともに散りこぼれる風情の花は沢山ない。かえって羽について来るか、嘴から落すか、植えない菫の紫が一本咲いたり、蓼が穂を紅らめる。
ところで、何のなかでも、親は甘いもの、仔はずるく甘ッたれるもので。……あの胸毛の白いのが、見ていると、そのうちに立派に自分で餌が拾えるようになる。澄ました面で、コツンなどと高慢に食べている。いたずらものが、二、三羽、親の目を抜いて飛んで来て、チュッチュッチュッとつつき合の喧嘩さえ遣る。生意気にもかかわらず、親雀がスーッと来て叱るような顔をすると、喧嘩の嘴も、生意気な羽も、忽ちぐにゃぐにゃになって、チイチイ、赤坊声で甘ったれて、餌を頂戴と、口を張開いて胸毛をふわふわとして待構える。