Japanische Klassiker mit Furigana
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まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Lesen Sie 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) von 長谷川 伸 (はせがわしん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.753 Zeichen · 192 Bildschirme
おとら 何だか訳がありそうだ。だれを探しているのだね。もしあたしが知っていたら、教えてあげたい気がするんだけれど。
忠太郎 老いすがれた女の人を見れば、だれでも探している俺の――かと思うばかりで去年から、もう直き丸一年になろうというのに、縁がねえのかまだ会えねえ。
おとら そりゃだれに。
忠太郎 お前ぐらいの年の人さあ。
おとら お袋さんだね。
忠太郎 そうかも知れねえ。(行きかける)
おとら ここの家のかみさんも、あたしが知っている頃は、残して来た子供のことを三日にあげず泣いて話したが。
忠太郎 ええ。(引返しておとらに近づく)
おとら けれ共それは、十年十五年じゃない、もっと昔の話なんだ。
忠太郎 ここは確か料理茶屋で、水熊とかいう家だろう。して、ここのかみさんが子供を置いて来たというのは何処だ。知っているなら聞きてえなあ。
おとら 古いことでうろ憶えだけれども、確か江州だったと思うのさ、兄さんは江戸ッ子らしいから江州では人違いだねえ。
忠太郎 俺あ十三から江戸で育ったが、生れは草深い処なんだ。ここの家のおかみさんは、そんなに子供を思っていたのか。
おとら 今もいった通り、そりゃ大昔の話だから、昨今はどうだか判りゃしない。