Japanische Klassiker mit Furigana
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もん
門
Lesen Sie 門 (もん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.830 Zeichen · 278 Bildschirme
「でも、御客も何もないからいいでしょう。だって六畳の方は小六さんがいて、塞がっているんですもの」
宗助は始めて自分の家に小六のいる事に気がついた。襯衣の上から暖かい紡績織を掛けて貰って、帯をぐるぐる巻きつけたが、
「ここは寒帯だから炬燵でも置かなくっちゃ凌げない」と云った。小六の部屋になった六畳は、畳こそ奇麗でないが、南と東が開いていて、家中で一番暖かい部屋なのである。
宗助は御米の汲んで来た熱い茶を湯呑から二口ほど飲んで、
「小六はいるのかい」と聞いた。小六は固よりいたはずである。けれども六畳はひっそりして人のいるようにも思われなかった。御米が呼びに立とうとするのを、用はないからいいと留めたまま、宗助は炬燵蒲団の中へ潜り込んで、すぐ横になった。一方口に崖を控えている座敷には、もう暮方の色が萌していた。宗助は手枕をして、何を考えるともなく、ただこの暗く狭い景色を眺めていた。すると御米と清が台所で働く音が、自分に関係のない隣の人の活動のごとくに聞えた。そのうち、障子だけがただ薄白く宗助の眼に映るように、部屋の中が暮れて来た。彼はそれでもじっとして動かずにいた。