Japanische Klassiker mit Furigana
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もん
門
Lesen Sie 門 (もん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.830 Zeichen · 278 Bildschirme
二十
後に鈴を振る音が烈しく響いた。
二十
障子の外で野中さん、野中さんと呼ぶ声が二度ほど聞えた。宗助は半睡の裡にはいと応えたつもりであったが、返事を仕切らない先に、早く知覚を失って、また正体なく寝入ってしまった。
二度目に眼が覚めた時、彼は驚ろいて飛び起きた。縁側へ出ると、宜道が鼠木綿の着物に襷を掛けて、甲斐甲斐しくそこいらを拭いていた。赤く凍んだ手で、濡雑巾を絞りながら、例のごとく柔和しいにこやかな顔をして、
「御早う」と挨拶した。彼は今朝もまたとくに参禅を済ました後、こうして庵に帰って働いていたのである。宗助はわざわざ呼び起されても起き得なかった自分の怠慢を省みて、全くきまりの悪い思をした。
「今朝もつい寝忘れて失礼しました」
彼はこそこそ勝手口から井戸端の方へ出た。そうして冷たい水を汲んでできるだけ早く顔を洗った。延びかかった髯が、頬の辺で手を刺すようにざらざらしたが、今の宗助にはそれを苦にするほどの余裕はなかった。彼はしきりに宜道と自分とを対照して考えた。
紹介状を貰うときに東京で聞いたところによると、この宜道という坊さんは、大変性質のいい男で、今では修業もだいぶでき上がっていると云う話だったが、会って見ると、まるで一丁字もない小廝のように丁寧であった。