Japanische Klassiker mit Furigana
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もん
門
Lesen Sie 門 (もん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.830 Zeichen · 278 Bildschirme
二十一
中途から顔を出した宗助には、よくも解せなかったけれども、講者は能弁の方で、黙って聞いているうちに、大変面白いところがあった。その上参禅の士を鼓舞するためか、古来からこの道に苦しんだ人の閲歴譚などを取り交ぜて、一段の精彩を着けるのが例であった。この日もその通りであったが、或所へ来ると、突然語調を改めて、
「この頃室中に来って、どうも妄想が起っていけないなどと訴えるものがあるが」と急に入室者の不熱心を戒しめ出したので、宗助は覚えずぎくりとした。室中に入って、その訴をなしたものは実に彼自身であった。
一時間の後宜道と宗助は袖をつらねてまた一窓庵に帰った。その帰り路に宜道は、
「ああして提唱のある時に、よく参禅者の不心得を諷せられます」と云った。宗助は何も答えなかった。
二十一
そのうち、山の中の日は、一日一日と経った。御米からはかなり長い手紙がもう二本来た。もっとも二本とも新たに宗助の心を乱すような心配事は書いてなかった。宗助は常の細君思いに似ずついに返事を出すのを怠った。彼は山を出る前に、何とかこの間の問題に片をつけなければ、せっかく来た甲斐がないような、また宜道に対してすまないような気がしていた。