Japanische Klassiker mit Furigana
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もん
門
Lesen Sie 門 (もん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.830 Zeichen · 278 Bildschirme
四
小六が帰りがけに茶の間を覗いたら、御米は何にもしずに、長火鉢に倚りかかっていた。
「姉さん、さようなら」と声を掛けたら、「おや御帰り」と云いながらようやく立って来た。
四
小六の苦にしていた佐伯からは、予期の通り二三日して返事があったが、それは極めて簡単なもので、端書でも用の足りるところを、鄭重に封筒へ入れて三銭の切手を貼った、叔母の自筆に過ぎなかった。
役所から帰って、筒袖の仕事着を、窮屈そうに脱ぎ易えて、火鉢の前へ坐るや否や、抽出から一寸ほどわざと余して差し込んであった状袋に眼が着いたので、御米の汲んで出す番茶を一口呑んだまま、宗助はすぐ封を切った。
「へえ、安さんは神戸へ行ったんだってね」と手紙を読みながら云った。
「いつ?」と御米は湯呑を夫の前に出した時の姿勢のままで聞いた。
「いつとも書いてないがね。何しろ遠からぬうちには帰京仕るべく候間と書いてあるから、もうじき帰って来るんだろう」
「遠からぬうちなんて、やっぱり叔母さんね」
宗助は御米の批評に、同意も不同意も表しなかった。読んだ手紙を巻き納めて、投げるようにそこへ放り出して、四五日目になる、ざらざらした腮を、気味わるそうに撫で廻した。