Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もん

門

夏目 漱石

Lesen Sie 門 (もん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.830 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

上部から見ると、夫婦ともそう物に屈托する気色はなかった。それは彼らが小六の事に関して取った態度について見てもほぼ想像がつく。さすが女だけに御米は一二度、

「安さんは、まだ帰らないんでしょうかね。あなた今度の日曜ぐらいに番町まで行って御覧なさらなくって」と注意した事があるが、宗助は、

「うん、行っても好い」ぐらいな返事をするだけで、その行っても好い日曜が来ると、まるで忘れたように済ましている。御米もそれを見て、責める様子もない。天気が好いと、

「ちと散歩でもしていらっしゃい」と云う。雨が降ったり、風が吹いたりすると、

「今日は日曜で仕合せね」と云う。

幸にして小六はその後一度もやって来ない。この青年は、至って凝り性の神経質で、こうと思うとどこまでも進んで来るところが、書生時代の宗助によく似ている代りに、ふと気が変ると、昨日の事はまるで忘れたように引っ繰り返って、けろりとした顔をしている。そこも兄弟だけあって、昔の宗助にそのままである。それから、頭脳が比較的明暸で、理路に感情を注ぎ込むのか、または感情に理窟の枠を張るのか、どっちか分らないが、とにかく物に筋道を付けないと承知しないし、また一返筋道が付くと、その筋道を生かさなくってはおかないように熱中したがる。