Japanische Klassiker mit Furigana
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もん
門
Lesen Sie 門 (もん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.830 Zeichen · 278 Bildschirme
それさえ付ければ、舟を漕ぐ手間がまるで省けるとかでね。五里も十里も沖へ出るのに、大変楽なんですとさ。ところがあなた、この日本全国で鰹船の数ったら、それこそ大したものでしょう。その鰹船が一つずつこの器械を具え付けるようになったら、莫大な利益だって云うんで、この頃は夢中になってその方ばっかりに掛っているようですよ。莫大な利益はありがたいが、そう凝って身体でも悪くしちゃつまらないじゃないかって、この間も笑ったくらいで」
叔母はしきりに鰹船と安之助の話をした。そうして大変得意のように見えたが、小六の事はなかなか云い出さなかった。もう疾に帰るはずの宗助もどうしたか帰って来なかった。
彼はその日役所の帰りがけに駿河台下まで来て、電車を下りて、酸いものを頬張ったような口を穿めて一二町歩いた後、ある歯医者の門を潜ったのである。三四日前彼は御米と差向いで、夕飯の膳に着いて、話しながら箸を取っている際に、どうした拍子か、前歯を逆にぎりりと噛んでから、それが急に痛み出した。指で揺かすと、根がぐらぐらする。食事の時には湯茶が染みる。口を開けて息をすると風も染みた。宗助はこの朝歯を磨くために、わざと痛い所を避けて楊枝を使いながら、口の中を鏡に照らして見たら、広島で銀を埋めた二枚の奥歯と、研いだように磨り減らした不揃の前歯とが、にわかに