Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もん

門

夏目 漱石

Lesen Sie 門 (もん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.830 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

と念を押した。

肥った男は笑いながらこう云った。――

「まあ癒らないと申し上げるよりほかに仕方がござんせんな。やむを得なければ、思い切って抜いてしまうんですが、今のところでは、まだそれほどでもございますまいから、ただ御痛みだけを留めておきましょう。何しろエソ――エソと申しても御分りにならないかも知れませんが、中がまるで腐っております」

宗助は、そうですかと云って、ただ肥った男のなすがままにしておいた。すると彼は器械をぐるぐる廻して、宗助の歯の根へ穴を開け始めた。そうしてその中へ細長い針のようなものを刺し通しては、その先を嗅いでいたが、しまいに糸ほどな筋を引き出して、神経がこれだけ取れましたと云いながら、それを宗助に見せてくれた。それから薬でその穴を埋めて、明日またいらっしゃいと注意を与えた。

椅子を下りるとき、身体が真直ぐになったので、視線の位置が天井からふと庭先に移ったら、そこにあった高さ五尺もあろうと云う大きな鉢栽の松が宗助の眼に這入った。その根方の所を、草鞋がけの植木屋が丁寧に薦で包んでいた。だんだん露が凝って霜になる時節なので、余裕のあるものは、もう今時分から手廻しをするのだと気がついた。