Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もん

門

夏目 漱石

Lesen Sie 門 (もん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.830 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

やがてぱたりと戸を締めて、

「駄目よ。いつの間にか兄さんがみんな食べてしまった」と云いながら、また火鉢の向へ帰って来た。

「じゃ晩に何か御馳走なさい」

「ええしてよ」と柱時計を見ると、もう四時近くである。御米は「四時、五時、六時」と時間を勘定した。小六は黙って嫂の顔を見ていた。彼は実際嫂の御馳走には余り興味を持ち得なかったのである。

「姉さん、兄さんは佐伯へ行ってくれたんですかね」と聞いた。

「この間から行く行くって云ってる事は云ってるのよ。だけど、兄さんも朝出て夕方に帰るんでしょう。帰ると草臥れちまって、御湯に行くのも大儀そうなんですもの。だから、そう責めるのも実際御気の毒よ」

「そりゃ兄さんも忙がしいには違なかろうけれども、僕もあれがきまらないと気がかりで落ちついて勉強もできないんだから」と云いながら、小六は真鍮の火箸を取って火鉢の灰の中へ何かしきりに書き出した。御米はその動く火箸の先を見ていた。

「だから先刻手紙を出しておいたのよ」と慰めるように云った。

「何て」

「そりゃ私もつい見なかったの。けれども、きっとあの相談よ。今に兄さんが帰って来たら聞いて御覧なさい。