Japanische Klassiker mit Furigana
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すずめがもりのかいい
雀が森の怪異
田中 貢太郎
Lesen Sie 雀が森の怪異 (すずめがもりのかいい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.614 Zeichen · 14 Bildschirme
彼は神中と新聞主筆の相違こそあれ、紙捻を縛りつけているので気になってたまらなかったが、警察へ云って往くのは好んでなぞの事件にまきぞえになりに往くようなものであるから、それは恐ろしくて往けなかった。彼はどうかして神中に逢いたいと思ったが、とうとう神中は来なかった。そして、二三日すると体もよくなったので、岐阜市外の己の家へ帰って往った。
己の家へ帰った彼は、家へ着くなり神中のことを聞いた。
神中は仙台の彼の下宿へ彼を訪うた日の数日前、就職口を頼んであった友人を岐阜市内の銀行に訪うたのであった。神中はその前月県庁をよさせられていた。それは己の課長になる男から妹を細君にと望まれたが、その男は女に関してとかくの評判があり、もう三四人も細君を離縁していたので、神中は妹の将来を思うてことわったがために免職になったものであった。
神中は妹と二人暮らしであった。神中は県庁に勤めていても生活が苦しいので、妹が賃機を織ってそれを助けていると云う境遇であった。神中はどうしても早く何かにありつかなくてはならなかった。神中が就職口を頼んである知人のなかに、銀行にいる知人はひどく神中の境遇に同情して、己のことのように世話してくれるので、神中も自然とその知人の処へ足繁く出かけて往くのであった。