Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ざっとう

雑沓

宮本 百合子

Lesen Sie 雑沓 (ざっとう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.832 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

「だって仕様がないわ、そうなんだもの。きのう環さんとシネマ見て来たのよ。あっちの学生生活を見たら、つくづく私たちなんて詰らないもんだと思っちゃった。何処に我等の青春の歓びありや」

最後の一句だけを、三輪は詩でも諳誦するような調子で英語で云った。宏子は、おこったような眼付をして、肌理のすべっこい、小鼻をつまんでつけたような三輪の顔を見た。彼女は顎をしゃくって、不機嫌に、

「そこに、ある」

フランス語で短くなげつけるように云った。

「そうよ、ここにあるにはあったって――一体ここの先生たち、みんなあっちで勉強して来たくせして、舎監学ばっかしやって来たみたいね。本当に愉快なカレッジライフなんて、きっとしたことがないのね。みんな先生になるひとばっかりでもないんだから、もうすこし感じよくしたっていいのに――学校だって、謂わばお客なんだもの、私達が……」

宏子は、この言葉で、殆どその日になってはじめて大笑いをした。

「本当よ! 私、若い時代に味えることは何だって味わいたいと思う。地方から来る学生が、みんなただ学問だけを求めて来るんだなんて思ったら随分単純だ」

「あなた、グループに入っているの、その気持から?」