Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのうえのしも

雪の上の霜

山本 周五郎

Lesen Sie 雪の上の霜 (ゆきのうえのしも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.586 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

駆けつけて来ると、伊兵衛をぐるっと取巻いて、おそろしく高飛車にどなりだした。

「おらあ土橋の権六てえもんだが、うぬはいってえどこの人間だ、どこから流れて来て此処でなにしようとしてやがるんだ、何者だてめえは」

伊兵衛はおじぎをした。

「どうも済みません、私は三沢伊兵衛という浪人でございまして」

「嘘うつきやがれ」他の馬子の一人が脇から叫んだ、「――おらあ崖下の勘太てえもんだ、いくらおちぶれたって侍の端くれなら竹光ぐれえは差してる筈だ、人を舐めやがって、浪人だと云えばおらっちが腰を抜かすとでも思やがるのか」

「いえ嘘は云いません、本当に浪人です」伊兵衛は泣きたいような気持で、しかしけんめいに弁明した、「もちろん刀は持っていますが、刀を差していては客がひろえませんので、本当にだめなんです、客がみんな怖がるらしくって」

「やかましいやい、なにが客だ、おらあこぶの八兵衛てえもんだが、この街道にだって建場てえものがある、旅の客で稼ぐには建場の株を買って、馬子は馬子、駕籠は駕籠の仲間にへえらなけりゃあならねえ、それをうぬはどこの牛の尻尾か知れねえ身で、おらっちに挨拶もしねえで客をひろい、平気な面あしておらっちの稼ぎを横取りしやあがる、さあ云ってみろ、どこの誰に許されてそんなまねをしやあがるんだ」