Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのうえのしも
雪の上の霜
山本 周五郎
Lesen Sie 雪の上の霜 (ゆきのうえのしも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.586 Zeichen · 50 Bildschirme
「どうも済みません、まことにどうも」伊兵衛は続けさまに低頭した、「――そういう定りがあるとは知りませんでしたし、病人を抱えてほかに仕事がないものですから」
「この野郎、まだ云いぬけをするつもりか」
「面倒だ、ぶちのめして山犬の餌食にしろ」
こう喚いたと思うと、いきなり一人が殴りかかった。伊兵衛はその肱を掴んで、
「ああ待って下さい、どうかそれだけは」片手を振りながら懇願した、「病人がいるのですから、あやまりますから、あっ危ない、どうかやめて下さい、危ないですから、あっ失礼、どうかもう、お願いです」
口では鄭重にあやまっているし、乱暴をするつもりなどは決してないが、身に付いた武芸はどうしようもない。軽く躱す手や足が、みな要所に当るので、かれらは四五間もすっとんだり、みごとに転倒したり、こぶの八兵衛などは殺されるような悲鳴をあげたりした。それでかれらはますます逆上し、棒や息杖をふるって、前後左右から襲いかかった。
「どうか待って下さい、勘弁して下さい」伊兵衛は哀訴した、「――このとおりです、頼みます、どうかそんな、あっ、ごめんなさい」
棒を奪い、息杖を奪った。