Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのうえのしも
雪の上の霜
山本 周五郎
Lesen Sie 雪の上の霜 (ゆきのうえのしも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.586 Zeichen · 50 Bildschirme
これにはちょっと説明がいる。伊兵衛は少年時代に、宗観寺の玄和という禅僧から、心身両面の薫陶を受けた。そのなかで、
――石中に火あり、打たずんば出です。
という偈のような言葉があった。石の中に火がある、打たなければ出ない、どう打つか、いかに打って火を発せしめるか。そういう意味であって、伊兵衛の武芸の真髄がそこにあった。つまり「打って火を発する一点」が、彼の技の要だったのである。
「これまでは火を発する一点、ということで試合をしました、だから勝負がはっきりし過ぎたんですよ」彼は眼尻を下げて云う、「――こんどは押えるんです、発しようとする火をこうぐっと押え込むんです、相手の中へね、わかるでしょう」
「わかりませんけれど」おたよは微笑し、頷いた、「――でもわかるように思えますわ」
「これは進歩です、たいした進歩なんですよ、ええ、莫大といっていいくらいです」彼は上々のきげんで、まっ赤に酔った顔を絶えずにこにこさせながら、これからの稽古についても、各種の抱負を語り続けた、「もうこれで大丈夫です、と云ってもいいと思うんだが、こういう発明もしたし、小室さんは良い人だし、こんどこそ」