Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのうえのしも
雪の上の霜
山本 周五郎
Lesen Sie 雪の上の霜 (ゆきのうえのしも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.586 Zeichen · 50 Bildschirme
「いやわかりますよ」伊兵衛はにこにこと云った、「――旅馴れている者はもちろん、このくらいの距離で駄賃がどれほどぐらい、子供でない限りはおよそ」
「無礼なことを云うじゃないか」べつの若侍が唾を吐いて云った、「駄賃の多寡ぐらい子供でない限りわかるって、われわれを子供扱いにするのか」
「つまらんつまらん」もう一人が云った、「――そんな問答は愚劣です、ゆきましょう岩野さん、ばかげてますよ」
「待って下さい、それはいけません」伊兵衛はかれらの前へまわった、「それは罪ですよ、みんな貧しい人たちなんですから、どうか駄賃を払ってやって下さい、お願いします」
「いやだ、そこをどいて貰おう」
岩野と呼ばれたいちばん年嵩の青年が、冷笑しながら顎をしゃくった。
「どうしてもだめですか」伊兵衛は念を押した。それから馬子たちのほうへふり返り、侍たちを指さして、「私はこういう人たちは嫌いです」
とむっとしたような声で云った。
「――刀を差していて弱い者いじめをするなんて、きっと本当の侍じゃなく偽者なんでしょう、それにお金も持っていないのかもしれませんよ」
「無礼者、偽侍と申したな」
唾を吐いた青年が喚いた。