Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのうえのしも
雪の上の霜
山本 周五郎
Lesen Sie 雪の上の霜 (ゆきのうえのしも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.586 Zeichen · 50 Bildschirme
旅装のおたよは、含み笑いをしながら、笠を傾げて良人を見あげた。
「わかるでしょう、私の勘弁ならない気持が」伊兵衛は歩きながら力をこめて云う、「小室さんは善い人ですよ、もののわかった、見識の高い善い人です、しかし悲しいかな扶持を取っている、道場を持ち門人があり、安楽に暮している、それで理非の判断がにぶるんだ、扶持を失いたくない、道場や門人を失いたくない、安楽な生活は放したくない、そこで自分では気づかずに、若気の悪戯だなんて云うんですよ」
彼はどしんと片足を踏みつけた。
「若気の、血気ざかりの、冗談じゃない、片方は貧しい弱い人たちですよ、それを武士たる者が刀で脅やかしたり、はらいせに十人も集まって、私に向って来るならいいが、なんの後盾もない弱いかれらをやっつけ、大けがをさせたうえに職業まで奪う、血気ざかりもくそも、こいつはごく悪質ですよ、こんなやつらと折合ってゆくなんてまっぴらです」
「それはわかりましたわ」おたよはやはり含み笑いをしたまま、「――お返しになる謝礼のお金は、どうなさいましたの」
「それなんですがね、ええ、おたよはもう怒らないと思うんだが、いつか許しを得た筈なんだが、だって小室さんへ返すのは一両二分だけれども、けがをして寝ている者がいますからね、五人とも家族が多くて、食うに困ってる状態なんですから、