Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんさいにっし
震災日誌
喜田 貞吉
Lesen Sie 震災日誌 (しんさいにっし) von 喜田 貞吉 (きたさだきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.617 Zeichen · 40 Bildschirme
と、はては屋上から床下まで捜索するが誰もいない。よくよく事情を聞いてみると、炊事場の煙突から火の粉が揚ったのを誰かが見て駆け付けてくれたのがもとであった。
実は昨日来瓦斯が止まったがために、飲料の湯を沸かすにも宅では一々薪を用いているので、あらかじめ水を用意して地震の時には消火せしめることにしておいたのだった。ところで夕方かなり強い奴がやって来たので、妻は規定通りにそれに水を打ちかけて消してしまったが、あとで見るとまだ多少湯がぬるい。さりとて今さら濡れた薪に点火するほどでもないので、妻はつい有り合した古新聞を集めて焼いたものだ。その火の粉がいくらか揚ったのを、神経過敏のさいのこととて、放火と見誤ったのであったことがわかった。時節がら不謹慎の至りと、お詫びをしたり労を謝したりして、壊れた門の戸を間に合せに叩きつけて、それでやっと安心の胸をなでおろした。
記事が少し前に戻るが、昼間のうちに誰が言い出したものか、放火すべき家の前には白墨で記号がしるされてあるという噂があった。そう言われてみると自分の門前の電柱にも、白墨で丸が書いてある。隣のM君がさっそく雑巾で消してくれた。