Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのいきのあと
青春の息の痕
倉田 百三
Lesen Sie 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.338 Zeichen · 254 Bildschirme
私は涙がこぼれて洞穴のなかで泣きました。外に出ると驟雨に洗われた澄み切った空の底に、星が涼しそうに及びがたき希みのように輝いていました。その時私はふと聖者になりたいと思いました。そして奇蹟を行なう力と、挙げられて壇からはなれる徳とがなくては聖者にはなれないとあなたのおっしゃったのを思いました。あのとき私はまた思いました。「私はただ一つのクレアトールとして、造り主と、他のクレアトールとに対する徳を得たい、神に仕え、隣人を愛して、ひとりの力なき忠実な僕として生きよう」
そのようなことを考えて、宿へ帰る間私は幸福でした。そして私にはまだ残された未来と開拓すべき私の領地とがあるような気がして心強くなりました。私は帝釈の三日の間にしだいに希みを恢復いたしました。そして帰る日の朝には、宿の川向かいの貧しい家に夏蚕を飼っているのを勤労の心地で眺めたり、宿の寡婦の淋しい身上話をしみじみと聞いてやれるほどおちつきを得ました。
そして「帰ったら勉強しよう」と決心して帰途に就きました。
車の上でもいろいろと考えてみました。そして将来の私の仕事についても、もはや二十五にもなり、学校へは行かれないのだし、考えてみねばならぬと思いました。