Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしゅんのいきのあと

青春の息の痕

倉田 百三

Lesen Sie 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.338 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

この二十日のあいだ、私はそのように望みのない思いに打ち沈んで、妹や母にも心配をかけました。教会に行っても、いやなところばかり目につくし、私はついに十七日の朝急に、庄原から八里ほど山の奥にある帝釈という村に参りました。家がのがれたく、人のいないところで心を整えたかったのです。

けれどそこも乾からびた、倦怠な、貧しい村で、宿につくとすぐに私は帰りたくなりました。けれど私は三日のあいだ神に祈り、心を静め、はげましてその村で心をととのえました。「どこへ行ってもかなしいのだ」私は思いました。「私の運命を抱け、もはや私のかなしみは女を得れば癒されるかなしみではない。人間としてのかなしみで私のかなしみではない。人生の永い悲哀と運命の淋しさである。もう私は私に媚びる甘いものの影に心をひかれまい。運命を直視しよう。そして運命に毀たれない、知恵と力とにあこがれよう」私は山かげの暗い洞穴のなかで、渓川の音の咽び泣くのを聞きながら、神様に祈りました。「神様、あなたは私を造りなさったとき何かの御計画があったのでしょう。なにとぞ、その計画を私の上に成就せしめ給え。あなたの地上になし給うよき仕事の一部に私をあずからしめ給え」