Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あおきのしゅっきょう

青木の出京

菊池 寛

Lesen Sie 青木の出京 (あおきのしゅっきょう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.513 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

「ああもういい。あちらへ行って休み給え。君は見たところ、立派な体格を持っているのだから、心を入れかえて奮闘さえすれば、一人前の人間に成れぬことはない。さあ、もうあちらへ行き給え」と、いった。

雄吉の沈黙を、服罪だと解釈した主人は、もうこの上責める必要もないと思ったのか、またこの不快な会見を、早く切り上げようと思ったのか、しきりに雄吉を促したてた。

「実は、あの小切手は青木が持っていたのです」と、雄吉は口まで迸って出ようとする言葉を抑えつけながら、彼は懸命になって、自分の採るべき処置を考えた。天才と病的性格ということを、彼は思い出した。盗癖のある青木が、そうした欠陥にもかかわらず、輝いた天分を持っている。青木の、こうした天才を保護し守り育ててやることが、われら凡庸に育ったものの当然尽すべき義務ではあるまいかと、雄吉は思った。自分が近藤家から追われる! そのことによって、どんな損害を受けても、それは一人の天才の前途を暗くすることに比べれば、なんでもないことじゃないかと、雄吉は思った。ことに、体格の強壮な自分なら、苦学でもなんでも、やれぬことはない。これに反して青木、羸弱といってもよい青木にとって、苦学などということは、思いも及ばぬことだった。