Japanische Klassiker mit Furigana
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『しずかなるあい』と『しょこくのてんにょ』
『静かなる愛』と『諸国の天女』
宮本 百合子
Lesen Sie 『静かなる愛』と『諸国の天女』 (『しずかなるあい』と『しょこくのてんにょ』) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.495 Zeichen · 13 Bildschirme
にんじんの母親もかわいそう
トルストイ夫人も自分のよう
まして私はかわいそう
これでは気のきいた批評などはかけず
たゞどもるばかり(冬)
けれども、「草に寄す」「夏」「落差に就いて」「わが肉は新陳代謝はげしく」などにもり上りほとばしる感情の勁靭さ、豊富さと清潔さとには、気持よい水しぶきで顔をうたれるような悦びがある。
私は凍らず天をみない
落差ます/\はげしく一樹なく
人工の浪漫なくおもむきなく
世の規定を知らずとび落ちよう
おのが飛沫の中にかゞやき落ちよう(中略)
おゝ詩はやわらかい言葉のためにあるのではない
わがうたは社交と虚礼のために奏でざれ
あかつきの大気をくぐりぬけ
美しい霜のおくように
そんなに私はわが詩を貴方の胸におくりたい
面白いことだと思う。むかし話に漁師伯龍とその妻となった三保の松原の天女の物語があって、それを大正の時代に菊池寛が「羽衣」という短篇に書いた。天女を妻とした漁師伯龍は元来女たらしであったのだが、天女を妻として十日ほどは彼も大満悦であった。天女は美しくて、彼の肉情も十分に満足させた。けれども、天女だから何にもしない。夕方になって伯龍が腹をぺこぺこにして戻って来て見ると、自分が食べない御飯はたくことも知らない天女の妻が退屈もせず縁側などにぼんやり腰かけている。