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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひめいよきょうじゅのべん

非名誉教授の弁

和辻 哲郎

Lesen Sie 非名誉教授の弁 (ひめいよきょうじゅのべん) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.519 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

こういう肩書きの効用を眼中に置いて、わたくしに東大名誉教授という肩書きをつけてくれたのであるとすると、その好意に対してはわたくしは感謝すべきであるかも知れぬ。しかしわたくしの動いている社会では、名誉教授も相当にいるにはいるが、それを名刺の肩書きにしている人はどうもいないように思う。わたくしどもは肩書きの効用などにあずかりたくないのである。そのため時には横柄な態度で迎えられることもあるであろうが、しかし肩書きを見て急に横柄な態度を改めるような人たちから、どれほど強い敬意を表せられたところで、それを喜ばしく受け容れるわけには行かない。未知の人に対しても、一個の人格として、相当の敬意や親切をもって接するような人が、おのずからに表明する敬意こそ、われわれもまた等しい敬意をもって、喜ばしく受け容れることができるのである。横柄な態度はいわゆるインフェリオリティー・コンプレックスの現われで、むしろ憐れむべきものである。それに対抗するために肩書きを用いるなどは、同じくインフェリオリティー・コンプレックスの現われであるかも知れない。

(昭和二十七年十月『心』)