Japanische Klassiker mit Furigana
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かばんらしくないかばん
鞄らしくない鞄
海野 十三
Lesen Sie 鞄らしくない鞄 (かばんらしくないかばん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.653 Zeichen · 73 Bildschirme
「杉の角材の中に仕掛があるというのか。それはどうも信ぜられないね。しかし念のためだ、調べてみろ」
目賀野は臼井を督励して、四本の杉の角材を手にとるやら耳のところまで振ってみるやら、それから目方を考えてみるやらして、さまざまな診察を試みたが、その結果は、杉の角材であるという以外の化物ではなさそうであった。
「貴様のいうことは出鱈目だ」
目賀野は再び激昂に顔を赭くし始めた。
「待って下さい。博士の仕掛は、この角材の中にしっかり入っているんでしょうから、この角材を鉈で割ってみましょう」
臼井は、部屋の隅の函の中から鉈を出して来て、角材をぽかりと縦に二つに割った。それから中を調べた。が、それは杉の角材であるに十分であったが、他の何物をも隠していなかった。
臼井は、次々に残りの角材をぽかりぽかりと割ってみた。すべては、只の角材であるという以外に、何の新発見もなかった。
「それ見ろ。なんにもないじゃないか。貴様は恩知らずだ。底の知れない鈍物だ。ああ貴様のような奴は、もうわしのところへは置いておけない。とっとと出て行け」
不意討
臼井の顔が、酒に酔った人のように真赤になる。