Japanische Klassiker mit Furigana
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かばんらしくないかばん
鞄らしくない鞄
海野 十三
Lesen Sie 鞄らしくない鞄 (かばんらしくないかばん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.653 Zeichen · 73 Bildschirme
「ああ、怪賊烏啼か。烏啼のことなら聞いたことがあるが、若いくせに神出鬼没の悪漢だってね。一体どんな顔をしているのかな、その烏啼というやつは……」
「それがよく分らない。烏啼と名乗る彼に会った者は誰もない。しかし脅迫状などで、烏啼天駆の名は誰にも知れ亙っている」
「捜査課長ともあろう者が、そんなぼやぼやしたことで、御用が勤まると思うのか」
「何をいう。いい気になって……」
課長は目賀野を元の留置場へ戻した。
怪賊烏啼
そのあとで課長は溜息ばかりついていた。この二つの事件に、怪賊烏啼天駆が関係しているとは、目賀野の話で始めて分った。そうなると、これはますます事が面倒になってくる。ありとあらゆる検察力を発揮しないと、烏啼を引捕えることは出来ない。しかし、一体どこから手をつけていいか、分別がつかない。こういうときに帆村が居てくれれば、どんなに力になってくれるか分らない。が、彼にはこの事を知らせずに、この大島へ来てしまったことが後悔された。
だが、その帆村が、ひょっくりと課長の前に現われたもんだから、田鍋はおどろき且つよろこんだ。彼は早速、この事件に烏啼天駆が関係していることを帆村に語って、帆村の助力をもとめた。