Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.984 Zeichen · 28 Bildschirme
息杖によりかかってひょろ松の話を聴いていたが、ひと切がつくと、眉をしかめて、
「おい、ひょろ松、そいつはいけねえなア。ひょっとすると、そりゃア藤五郎がやったんじゃねえぜ」
と言って、相棒のとど助のほうへ振りかえり、
「ねえ、とど助さん、チト妙な節があるじゃありませんか。恨むすじは吉兵衛のほうにあるが、藤五郎のほうにはない。そうまでおとなしくしているものを、おもんが吉兵衛とどうのこうのぐらいのことで、殺して家へ火をつけるなんてことをするものでしょうか」
とど助はうなずいて、
「手前もさっきから訝しく思っていたのでごわす。なんとしてもその点が腑に落ちません」
「そうですよ、殺すにしろ火をつけるにしろ、もっと手軽な方法がいくらでもある。わざわざ難儀して手のかかることばかりやっているとしか思われてならない。つまりね、なんとなく不自由で、不必要に企みすぎたというような気がしませんか」
「します、します。……それに、どんな方法でやったところが、京屋と『大清』がそんな関係であって見れば、かならず藤五郎に疑いがかかる。これは逃れっこがないんだから、ちょっと悧巧な男なら、これはけっして殺りません」