Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.960 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

ひょろ松は、えッ、とおどろいて、

「それは、ほんとうですか」

「馬鹿な念をおさなくともいい。なんとなく気がはずんできたでな、そんなことでも、してみたくなった。まア話してみろ。どんなことなんだ」

ひょろ松は、無闇によろこんで、

「こりゃアどうも、ありがたいことになった。駕籠に乗せられた上に、助けてまでくださろうというんじゃアあまり話がうますぎる。これでブツブツ言っちゃ罰があたります」

「やはり、御用の筋なのか」

「へえ、そうなんでございます。わっしは、さっきから相談を持ちかけたくてムズムズしていたんですが、御用の話をするとあなたは嫌な顔をなさるから、それで我慢していたンです。……では、これからお話しますが、もうすこし駕籠が揺れないようになんとかなりませんものでしょうか。舌を噛みきりそうで危くてしょうがない」

「よしよし、この調子ではどうだな」

「結構でございます。すみませんねえ。……実はね、こういうわけなんでございます。府中で手びろく物産廻送をやっている近江屋鉄五郎というのがあります。それにお源というのとお沢というのと齢ごろになる娘が二人いて、先年、姉娘のお源に婿をとることになり、やはり同業の青梅屋の三男坊で新七というのがきまった。