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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.327 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

……それというのは、たぶん、その凧にくわしい手はずを書いた結び文でもしてあったのだろう……」

「それが、どうした」

「つかぬことを伺うようですが、では、その凧は、たしかに石船の一味の手へ入ったというお見こみなんでしょうな」

「なにをくだらん、……手に入ったればこそ、ああいうことが出来たのだ」

顎十郎はうなずいて、

「なるほど、理詰ですな」

と言うと、キョロリと藤波の顔を眺め、

「ときに、藤波さん、もう十一月だというのに、この二三日、どうしてこうポカつくか、ご存じですか?……まるで、春の気候ですな」

藤波は、いよいよ癇を立て、

「手前は、あなたと時候の挨拶をするために、こんなところまで出かけて来たのじゃねえ。そんなくだらないことなら、手前はもうこのへんで……」

顎十郎は、大袈裟に引きとめる科で、

「まあまあ、お待ちなさい。……相変らず、あなたも癇性だ。……お返事がなければ、手前が釈義いたしましょう。……なぜ、こうポカつくかといえば、この二三日、ずっと南よりの東風が吹いているからなんです。嘘だと思うなら、浅草の測量所へ行って天文方のお日記を見ていらっしゃい。東東微南と書いてあります。