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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.327 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

……調べてみると、それが、それ、石井宇蔵という金蔵方」

「……なるほど」

「ところで、問題は、金座の凧が妙にはねあがらないということ。……これは、いったいどうしたというもんでしょうね」

「なにか、釣のぐあいでも……」

「釣もそうでしょうが、手前は、それを、普通のからす凧より重いためだと睨んだ」

藤波は引きとって、

「大ぶりな鳶凧と闘わせるためには、いささか、こちらの凧を重くしておかなくてはなるまい」

顎十郎はうなずいて、

「そうそう、手前も最初はそう思った。それはわかったが、そんならば手前の軽い凧へとっかかって来なければならないはず。ところが、かならず手前の凧を避けて行く。どう考えても、金座の凧しか欲しくないのだと見える」

またしても、ニヤリと笑って、

「このへんが、なかなか微妙でね、チョイと頭をひねりましたが、しかし、すぐ解決した。なにもかも、この凧合戦のアヤをすっかり見ぬいてしまったんです」

ペロンと舌を出して、下唇に湿をくれると、

「……もともと、手前は、石船の衝突は、まともな事件だとは思っていない。……あれは、川なかですりかえたと思わせるための見せかけで、あのときは、なんの事件もなかったものと睨んでいる。