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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.707 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

と書いてあるのを常とする。

これをおこのうものは福徳家内に満ち、これをおこなわぬものはかならず災疫をうけるというので、これを受けとったものは、おのがじし百枚ずつを版木に起して配布するので、わずか三月とたたぬうちに、大黒尊像は日本の津々浦々にまで行きわたるような大勢力となった。幕府は大いに狼狽し、文政二年の末ごろ禁令を出して取締ったが、またふた月ほど前から、尊像頒布が急にたいへんな勢いで流行しはじめた。

顎十郎は、文机のうえから版木をとりあげて、ニヤニヤ笑いながら、

「たとい、むかしでも法度は法度。……それを取締るべき与力筆頭のあなたが、こんなことをなさるなどは、ちと受けとれぬ話ですね」

庄兵衛は、てれくさそうに額に手をやり、

「悪いやつに、悪いものを見られてしまったわい。……見あらわされたうえはいさぎよく白状するが、なにもこれは迷信などを信じてやったわけではない。おまえも知ってのとおり、花世は甲子の年の生れ、大黒様の申し子のようなやつだから、それで、こうして、いくぶんの義理をたてておる。これだけは見のがしてくれ」

顎十郎は、聞くでもなく聞かぬでもないような様子で版木をひねくりまわしていたが、なにを認めたものか、ほう、と声をあげ、