Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.022 Zeichen · 36 Bildschirme

Aozora Bunko

……つまり双生児」

「えッ」

「驚かれるのも無理はない、いまの公方に双生児の兄弟があることを知っているのは、本寿院さまと家慶公と取りあげ婆のお沢、それにこのわしの四人。……もっとも、産室には三人の召使いがおったが、この秘事を伏せるため、気の毒ながら病死の体になってしまった」

「それで、あとのほうの公方さまはどうなりました」

「その話はこれから。……国の世子に双生児は乱の基。……なぜと言えば、いずれを兄にし、いずれを弟にと定めにくいのじゃから、成長した暁、一人を世子と定めれば、他の方はかならず不平不満を抱く。……自分こそ嫡男であると言いたて、追々に味方をつくり、大藩に倚って謀叛でも企てるようなことになれば、それこそ国の大事、乱の基。……前例のないことではないのだから、根を絶つならば、今のうち。……家慶公はひと思いに斬ってしまおうとなさったが、本寿院さまの愁訴にさえぎられて殺すことだけは思いとまられ、十歳になったら僧にして、草深い山里の破寺でなにも知らさずに朽ちさせてしまうという約束で、その子をお沢に賜わった。……お沢は篤実な女で、この役にはまず打ってつけ」