Japanische Klassiker mit Furigana
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かおのびについて
顔の美について
伊丹 万作
Lesen Sie 顔の美について (かおのびについて) von 伊丹 万作 (いたみまんさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.689 Zeichen · 4 Bildschirme
近ごろは西洋かぶれの流行から一般の美意識は二重まぶたを好むようであるが、あまりはつきりした二重まぶたは精神的な陰翳が感じられなく甘いばかりで無味乾燥なものである。東洋的な深みや味は一重まぶたもしくははつきりしない二重まぶたにあり、長く眺めて飽きないのはやはりこの種の顔である。
近ごろばかな人間が手術をして一重まぶたから二重まぶたに転向する例があるが、もつたいない話である。それも本当に美しくなれるならまだしもであるが、手術後の結果を見るとたいがい徹宵泣きあかしたあとのような眼になつてしかも本人は得意でいるから驚く。
いつたい医者という商売はどういう商売であるか。
自分の商売の本質をよく考えてみたらこんな畠ちがいの方面にまで手を出せるわけのものではあるまい。
人生の美に関する問題はすべて美術家の領分である。その美術家といえども神の造つた肉体に手を加えるなどという僭越は許されない。
仕事の本質がいささかも、美に関係なく、したがつて美が何だか知りもしない医者が愚かなる若者をだまして醜い顔をこしらえあげ、しかも金を取つているのである。
生れたままの顔というものはどんなに醜くても醜いなりの調和がある。