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Japanische Klassiker mit Furigana

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かぜにのってくるコロポックル

風に乗って来るコロポックル

宮本 百合子

Lesen Sie 風に乗って来るコロポックル (かぜにのってくるコロポックル) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.458 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

これがイレンカトムの考えであった。

彼はそうなるにきまっていると思っていたのである。

けれども、その年の末、豊の借金のために七頭も土産馬(どさんば)を手放さなければならなくなったときは、さすがのイレンカトムも、心を痛めずにはいられなかった。が、彼は、

「ええ加減に止めるべし、な、豊坊。俺あ困るで……」

と云っただけであった。

三

近所の者は皆、年寄(エカシ)は偉い者を背負い込んだものだと云う。悪魔(ニツネカムイ)に取っつかれたように仕様むねえ若者(ウペンクル)だと云う者もある。

完く、豊が、賞むべき若者でないことは、イレンカトムも知っている。仕様むねえとも思うし、困った者だとも思う。が、彼にはどうしてもそれ以上思えないのである。

いくらなんと云われても、何をしても可愛いには毫(ごう)も変りがない。どこがどう可愛いのかは分らないが、十人が十人口を揃えて悪く云うときでも、俺だけは余計に可愛いような心持がして来る。

真実血統があるでもない、この「やくざな若者」が、どうしてあんなにも可愛いかと云うことが、傍(はた)の者の一不思議であるとともに、イレンカトム自身にとっても、確かに一つの神秘であった。