Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かぜにのってくるコロポックル
風に乗って来るコロポックル
宮本 百合子
Lesen Sie 風に乗って来るコロポックル (かぜにのってくるコロポックル) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.458 Zeichen · 39 Bildschirme
一生懸命に謡を歌う。犬にふざける。そして、暁の薄明りが差し始めると、ようよう疲れ切った眠りに入るのである。
斯様に、S山で余り寂しすぎる一冬を送った彼は、すっかり頭を悪くした。体も悪くなった。けれども、イレンカトムは、自分の転居が失敗だったとは思わない。彼は一言も洩さなかったけれども、自分が若し万一病気にでも成れば、部落ではすぐ近所の者が知っていろいろな物を盗もうとするかもしれない。がここにいれば、人に知らせず、山本さんだけに万事委せることが出来るから、よほど安心だ、と思っていたのである。
唯一人の彼が臥たら、誰が山本さんまでの使をするだろう? けれども、彼はそこまでは考えたことがなかった。
追々、雪が薄くなって、木の芽が膨(ふくら)むような時候になると、彼は、小屋の東側に僅かの地面を耕してそこに、馬鈴薯と豌豆(えんどう)を蒔いた。
誰かは訪ねて来る人も出来、気を変える仕事も出来て来て、イレンカトムは草木とともにようよう生気が出たように見えたのである。
六
ところが、その春はたださえ霧っぽい附近の海から、例年にないほどの濃霧(ガス)が、毎日毎日流れ始めた。