Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜにのってくるコロポックル
風に乗って来るコロポックル
宮本 百合子
Lesen Sie 風に乗って来るコロポックル (かぜにのってくるコロポックル) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.458 Zeichen · 39 Bildschirme
或るときは四五人の者が来たようであり、或るときは十人以上が群れているように聞えるときもある。
アイヌ語や日本語で、だんだんはっきりと意味の聞きとれる言葉を喋る。
それも、決して、行儀よく話すのではない。どこかずうっとY岬の先の方から、風と一緒に喋りながら、やって来る。そして、小屋の周囲を馳け廻ったり、小屋の中を跳び廻ったりしながら、イレンカトムの「胆の焼ける」ようなことを、罵ったり、揶揄(からか)ったり、茶化したりするのである。
魚を焼いていると、魚が食べたいとねだる。米を煮ると、それを呉れと云う。
そして、始めには、夕方だけ来たものが、追々朝から付きまとって、夜眠ろうとでもすると、寝させまいとして、途方もないいたずらをする。喉を〆(しめ)に掛ったり、息もつけないように口を閉(ふさ)いだりして、叱りつければちょっと遠のいて、また始める。
そんなにされながらも、イレンカトムは、ただ声と、気合(けは)いだけを相手にして、怒ったり、怒鳴ったりするだけなのである。
理窟を云って追い払おうとすれば、なかなか負けずにやり返す。
こうなっては、彼もどうかしないではいられない。