Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ふうきんとさかなのまち

風琴と魚の町

林 芙美子

Lesen Sie 風琴と魚の町 (ふうきんとさかなのまち) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.372 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

校舎の上には、山の背が見えた。振り返ると、海が霞んで、近くに島がいくつも見えた。

「待っとれや」

父は、袴の結び紐の上に手を組んで、教員室の白い門の中へはいって行った。――よっぽど柳には性のあった土地と見えて、この庭の真中にも、柔かい芽を出した大きい、柳の木が一本、羊のようにフラフラ背を揺っていた。

廻旋木にさわってみたり、遊動円木に乗ってみたり、私は新しい学校の匂いをかいだ。だが、なぜか、うっとうしい気持ちがしていた。このまま走って、石段を駈け降りようかと、学校の門の外へ出たが、父が、「ヨオイ!」と私を呼んだので、私は水から上った鳥のように身震いして教員室の門をくぐった。

教員室には、二列になって、カナリヤの巣のような小さい本箱が並んでいた。真中に火鉢があった。そこに、父と校長が並んでいた。父は、私の顔を見ると、いんぎんにおじぎをした。だから、私も、おじぎをしなければならないのだろうと、丁寧に最敬礼をした。校長は満足気であった。

「教室へ連れて行きましょう」

「ほんなら、私はこれで失礼いたします。何ともハヤ、よろしくお願い申し上げます」

父が門から去ると私は悲しくなった。