Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうきんとさかなのまち
風琴と魚の町
林 芙美子
Lesen Sie 風琴と魚の町 (ふうきんとさかなのまち) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.372 Zeichen · 27 Bildschirme
私は、言葉が乱暴なので、よく先生に叱られた。先生は、三十を過ぎた太った女のひとであった。いつも前髪の大きい庇から、雑巾のような毛束を覗かしていた。
「東京語をつかわねばなりませんよ」
それで、みんな、「うちはね」と云う美しい言葉を使い出した。
私は、それを時々失念して、「わしはね」と、云っては皆に嘲笑された。学校へ行くと、見た事もない美しい花と、石版絵がたくさん見られて楽しみであったが、大勢の子供達は、いつまでたっても、私に対して、「新馬鹿大将」を止めなかった。
「もう学校さ行きとうはなか?」
「小学校だきゃ出とらんな、おッ母さんば見てみい、本も読めんけん、いつもかつも、眠っとろうがや」
「ほんでも、うるそうして……」
「何がうるさかと?」
「云わん!」
「云わんか?」
「云いとうはなか!」
刀で剪りたくなるほど、雨が毎日毎日続いた。階下のおばさんは、毎日昆布の中に辻占と山椒を入れて帯を結んでいた。もう、黄いろいご飯も途絶え勝ちになった。母は、階下のおばさんに荷札に針金を通す仕事を探してもらった。父と母と競争すると母の方が針金を通すのは上手であった。
私は学校へ行くふりをして学校の裏の山へ行った。