Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かぜ

風

壺井 栄

Lesen Sie 風 (かぜ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.702 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

「知ってますよ。途中で会ったんですもの。でも、今日はあなたをさそいにきたの。」

扶佐子はどんどん上ってきて、

「ね、井村さんの奥さん、女たちだって遊びましょうよ。これから多枝さんをさそって、三人でいいとこへいきましょうね。私、原稿料が入ったのよ。大枚三円! おごるわ。」

そのうきうきとはずんだ調子はすっかり茂緒をとらえ、茂緒はいそいで帯をしめなおした。

「どうせね、みんなのゆくとこ、わかってんのよ。いきましょうよ。だってさ、今日井村さんとこで一ぱいやるからこいっていったからさ、せめて酒代でも作ろうと思って、急いで童話かいてA新聞へもってったのよ。学芸部長が出てきて、だめだっていったからさ、啖呵きってやったの、――なんですっ、大きな屋台骨して何さっ! て。そしたらとってくれたわよ。大枚三円!」

扶佐子は得意になり、大きな小鼻をふくらまして、げらげら笑い、

「だのに、すっぽかしてるじゃないの。いいわよ。むこうはピーにきまってるから、こっちは大ばんぶるまいで、みせびらかしてやるの。」

茂緒は干した掻巻をまたとりこんで、窓にも玄関にも鍵をかけた。かけながら、修造のことが気になり、