Japanische Klassiker mit Furigana
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くびをうしなったとんぼ
首を失った蜻蛉
佐左木 俊郎
Lesen Sie 首を失った蜻蛉 (くびをうしなったとんぼ) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.704 Zeichen · 10 Bildschirme
「さあ! 私に、そんな事が出来るでしょうかね。」と、ただ彼は驚いて見せた。
「そりゃ、やる気にさえなれば、誰にだって出来まさあね。」と、言って仲田は、にやり微笑んで見せた。「何、訳はねいんですよ。ただ豚を撲り殺せばいいんだからねよ。皮を剥ぐとか、肉をそぐとかいうんなら、慣れねえ素人には出来なかんべが、何、撲り殺すだけなら、全く訳はねえでさあねえ。」
「それがですよ。その撲殺するのが……、果たして私にうまく殺せるかどうか、というのです。少しもその方面に経験の無い私に……。」
「経験もへつまも入ったもんじゃねえですよ。枠に縛りつけられて、ヒンヒン鳴いている奴を、薪割のようなやつで、額を一つガンと喰わせると、ころりっと参ってしまいまさあ、それを骨切り鋸で、ごそごそっと首を引けば、それであんたの役目は済んだというものですよ。それを一日に五匹もやっつければ、いいやっつけ方でさあね。」
「豚って、そんなにもろいものですか。」
「ええ。全くもろいでさあね。――まあ、やって御覧なさいよ。日に三匹も殺して、日給弐円ももらえば、随分いいやね。先方では、月給に定めてもいいし、一匹殺して幾らと定めてもいいと言っているんですから……。