Japanische Klassiker mit Furigana
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えきふにっき
駅夫日記
白柳 秀湖
Lesen Sie 駅夫日記 (えきふにっき) von 白柳 秀湖 (しらやなぎしゅうこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.989 Zeichen · 69 Bildschirme
驚いて様子を聞いて見ると、彼は学校を出るとそのまま、父親に手紙をやって「小作人の汗と株券の利子とで生活するのは人間の最大罪悪だ、家産は弟にやる、自分はどうか自由に放任しておいてくれ」という意味を書き送った。父親は非常に驚いて何か不平でもあるのか、家産を弟に譲っては小林家の先祖に対して申しわけがない、ことに世間で親の仕打ちが悪いから何か不平があって、面当てにすることと思われては困るというので、泣くようにして頼んで見たけれど浩平は頑として聞かなかった、百方手を尽して見たけれどもそれは全く無駄であった。
村では浩平が気が触れたのだという評判をする者さえあったそうだ。
幾万の家産を抛ち、義理ある父母を棄てた浩平はそのまま工夫の群に姿を隠したがいつの間にかその前半生の歴史をくらましてしもうた。彼が野獣のような工夫の団結を見事に造り上げて、その陣頭に現われた時には社会に誰一人として彼の学歴を知っているものはなかったのである。駅長はそのころ中仙道大宮駅に奉職ていて、十幾年かぶりで小林に会見したのであったそうだ。
「君なんぞまだ若気の一途に、学問とか、名誉とかいうことばかりを思うのも無理はないけれど、何もそんな思いをして学問をしなくっても人間の尽す道はわれわれの生活の上にも充分あるではないか。