Japanische Klassiker mit Furigana
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たかきへあこがれるこころ
高きへ憧れる心
与謝野 晶子
Lesen Sie 高きへ憧れる心 (たかきへあこがれるこころ) von 与謝野 晶子 (よさのあきこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.503 Zeichen · 4 Bildschirme
また私のように歌を詠むのを目的とする人もあり、また多くの人の容易に踏まない所へ足跡を印して優越感を満足させようとする人もある。併し意識すると否とに関らず、誰れも「高きにあこがれる」と云う心もちが其中に強く働いているのである。
と云って山は如何に爽快でも其処に久しくは留まれない。人間はやはり人間が自然よりも余計に恋しい。或る日数以上、山に滞在すると寂しくてならない。山上の視野が闊いのに対して、人間の余りに孤小なことさえ感ぜられて寂しくなる。山には早く秋が来るので、八月の末頃まで山にいると、夜など泣きたいような心もちを覚える。高野山や吉野山に住んだ西行がしばしば京に帰って来たのも、こう云う人間思慕の心からではなかったか。
山から帰る心は浄められている。謂ゆる六根清浄である。この清く健かになった心を持って、新しく地上の生活に参加し活動する。そうして又彼の天の高きにあこがれ、登山の楽みを今年も試みようとする。
私はこのような考えから、毎年夏の半ばに幾日かを山の旅行で費している。今年は幸い九州の友人達から招かれているので別府の奥の由布岳、豊後の久住山、肥後の阿蘇山などを歴訪する予定である。