Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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げかしつ

高野聖

泉 鏡花

Lesen Sie 高野聖 (げかしつ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.264 Zeichen · 104 Bildschirme

Aozora Bunko

たちまち進み来たれる紳士は帽を脱して、ボタンの二所失れたる茶羅紗のチョッキに、水晶の小印を垂下げたるニッケル鍍のを繋けて、柱に靠れたる役員の前に頭を下げぬ。

「その後は御機嫌よろしゅう。あいかわらずお達者で……」

役員は狼狽して身を正し、奪うがごとくその味噌漉し帽子を脱げり。

「やあこれは! 欣様だったねえ。どうもさっきから肖ているとは思ったけれど、えらくりっぱになったもんだから。……しかしおまえさんも無事で、そうしてまありっぱになんなすって結構だ。あれからじきに東京へ行って、勉強しているということは聞いていたっけが、ああ、見上げたもんだ。そうして勉強してきたのは、法律かい。法律はいいね。おまえさんは好きだった。好きこそものの上手なりけれ、うん、それはよかった。ああ、なるほど、金沢の裁判所に……うむ、検事代理というのかい」

老いたる役員はわが子の出世を看るがごとく懽べり。

当時盲縞の腹掛けは今日黒の三つ紋の羽織となりぬ。金沢裁判所新任検事代理村越欣弥氏は、実に三年前の馭者台上の金公なり。

七

公判は予定の日において金沢地方裁判所に開かれたり。