Japanische Klassiker mit Furigana
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まと
魔都
久生 十蘭
Lesen Sie 魔都 (まと) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 293.999 Zeichen · 578 Bildschirme
第十回
三十一、新吉原夜景の事 並に狐、馬に乗るの事
第十回
三十一、新吉原夜景の事
並に狐、馬に乗るの事
新玉の年たちかえる初紋日。
大籬小籬、朱塗の見世格子に煌々とネオン照り映え、門松の枝吹き鳴らすモダン風、駄々羅太鼓の間拍子もなんとなくジャズめく当代の喜見城。
春になれば、並木の緋桜が婀娜っぽい花を咲かす五十間道路のとっつきから仲之町の方へ五六軒、麻の暖簾も風雅な引手茶屋、紙張行燈には、薄墨で、
(はせかは)伏見屋
と書き流してある。
道路に面した二階の八畳間。今しも花梨の卓を囲んで黙々と盃を含んでいる二人の人物があります。一人は、前回、浅草簡易ホテルの場で折鞄を抱えた執達吏体の男を従え、悪徳夕陽新聞社長幸田節三、その相棒の、日比谷公園々丁長酒月守、志摩徳兵衛の手代で東京貴石倶楽部の松沢とともに、山木元吉と川俣踏絵が抱き合わんばかりにしている紅情纒綿たる隣座敷へ、無法にも案内も乞わずにズカズカと踏み込んで行った例の有明荘の住人の一人、有名な高利貸犬居仁平の養子の印東忠介。
他の一人は、第六回、築地明石町の場で、夕暮の暁橋の欄干に「カアマス・ショオ」のマネージャー、日仏混血児のバロンセリをおしつけ、皇帝を鶴見組へ売り込んだろうの、攫わしたろうのと凄文句で脅しつけ、妙な捨台詞を残して画面の外へ出て行ったきり、その後杳として姿を現わさなかった「ホヴァス」