Japanische Klassiker mit Furigana
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まと
魔都
久生 十蘭
Lesen Sie 魔都 (まと) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 293.999 Zeichen · 578 Bildschirme
まさに晴天の霹靂といった工合。冷静の象徴のような真名古を、何がこれほどまでに激発させたのか。総監はもとより、四銃士の面々も呆気にとられて、唖然と真名古の面を見戍るばかり。
総監はマジマジと真名古の顔をふり仰いでいたが、むしろ宥めるような口調で、
「おい真名古君、どうしたんだ」
というと、真名古は今度は度を失ったようにあわてて眼を外らしながら、
「別にどうしもしません」
と、あるかなきかの声で呟くと、幽鬼のような蒼ざめた頬をサッと紅潮させ、さながら処女のごとくにさしうつむいてしまった。
しかし、それも一瞬ほどの間で、まもなく依然たる狷介な面持にかえると、
「要するに、しちくどくいい廻す必要はありません。二人の総監のうち、有明荘へ現われたのは決して岩井ではなかった。なぜというに身長を除くほか、岩井は犯人の特徴に少しの類似性も持っていないからです。曲った背中も持っていなければ、毬栗頭でなんぞありはしない。手入れの届いた美しい髪をもっています。……どうです、総監、これでもまだ抗弁の余地がおありになるのですか」
いよいよもってドタン場に押しつめられたと思うのに、総監は屈する模様もなく、