Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りぎょ

鯉魚

岡本 かの子

Lesen Sie 鯉魚 (りぎょ) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.795 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

噂には一族郎党、ほとんど全滅だとの事です。すると、早百合姫に附添っていた家来の男女は、薄情なもので、両人諜し合せ、館も人手に売渡し、金目のものは残らず浚ってどこかへ逃亡してしまいました。

父の行方の心配、都に小娘一人住みの危うさ、とうとう姫も決心して国元へ帰ろうとほとんど路銀も持たずただ一人、この街道を踏み出して来たのでした。しかし、旅支度さえ充分でない上にすぐと悪漢達に追いかけられたりして、姫は全く不安と饑えとで、疲れ果ててしまったのでした。

姫は言い終ってさめざめと泣きました。

「せっかく、救けて頂いたようなものの、行先の覚束なさ、途中の難儀、もう一足も踏み出す勇気はございません。いっそこの川へ身を投げて死にとうございます」

またさめざめと泣き続けます。昭青年はこれを聴いて腸を掻き毟られるような思いをしました。そして、彼女を救う一番いい方法は、寺へ頼んでしばらく国元の様子の判るまで置いてもらうことだと思いましたが、乱世の慣わし、同じような悲運な事情で寺へ泣付いて来る者がたくさんあって、それをいちいち受容れていたのでは寺が堪りません。まして女人の身、いっそう都合が悪いのです。