Japanische Klassiker mit Furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(一)
吉川 英治
Lesen Sie 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.100 Zeichen · 523 Bildschirme
とにかく、銀五郎の体を、どこかへ隠したがようござる」
「いかにも!」啓之助も同意して、にわかにあわてた眼づかいをしながら、
「こりゃ、手当ては後にして、先に銀五郎の体を見えぬ所へ運んでおけ。そして、各もしばらくの間、姿の見えぬようにしているがよい」
「はっ、承知しました」答えると、侍たちは、ただちに銀五郎の手足を取りあって、灌木の夏草の茂みにつつまれた細道へ隠れてしまった。
そして、二挺の山駕も、邪魔にならない所へ片づけさせた後に、天堂一角は陽よけの笠を傾げ、弥助と啓之助は、道ばたの岩に腰を下ろして、何気ない風にたばこをくゆらしている……。
しばらく森としているうちに、さっき、ここから姿の眺められた旅人たちであろう、何か声高に話してくる声が足音とともに近づいてきた。
「よく晴れましたなあ、谷の霧が」
「まったくいい気持で。何しろ、山を歩きつけると、あの埃ッぽくって物騒な本街道は歩けません」
「街道すじも、喧嘩がなくって大名の往来さえなければ、決して悪かあありませんが」
「おお、ここに立つと、ちょうど、宇治川の流れが、水でくの字を描いたように見えます」
「山もよいじゃありませんか。