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Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.100 Zeichen · 523 Bildschirme

Aozora Bunko

隠してはいるが、年はもう二十四、五。女盛りの、燃える炎を包まれて、美が冴えるほど肺が痩せ、気の尖るほど凄艶さが目立ってきた。

「お米さんの病気には、男が一番毒ですぜ」

誰かが冗談にいった言葉も、お米の悶えにこびりついて離れぬものの一つである。

お品もうすうす知っていた。浮いた話は、この女に罪だった。けれど話の途中に幕も引けずに、

「じゃ、誰をそんなにお待ちなの?」と、テレ隠しに訊いてみた。

「うちの由造。四日前に、大事な使いに走らしたのに、まだ帰らないので腹が立ってね……」

「アア、あのぐず由さん?」あれじゃあ、色にも恋にもならない対手だ。

「その由さんがどこまで行ったのですかえ?」

「実はね、この間出入りの鰻かきが大川筋で旅の者を助けてきて、離れのほうへ寝かせてあるの」

「板前さんからも聞いていた、何でも、太刀傷のある上に水浸りになって、随分容体も重いということじゃないか」

「ええ。だけれど、江戸の伝法肌だけに気が強くて、大事な用を帯びているのだから、是非、親分を呼び返してくれ、後生だ、頼みだ、と夢中にまでいっているのだよ」

「まあ、何だか可哀そうだね。そして、その人の親分という人は」