Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
そして大名の家族は江戸に住んでいた。それに準じて家来も沢山江戸藩邸に居た。その中で単身国許から一年交代で勤めに出るのもあり、また家族を引連れて、一年交代でなく或る時期まで江戸藩邸に住むのもあった。前者を勤番といい、後者を常府といった。私の父は弘化三年の冬にこの常府を命ぜられ、松山から引越して江戸へ出た、その翌年に私が生れたのであるから、私は松山でたねを下ろされ、腹の中にかがまりながら海陸二百五十里を来て江戸でこの世に出たのである。
大名の屋敷はその頃上屋敷中屋敷下屋敷と三ヶ所に分って構えたもので、私の君侯の上屋敷は芝愛宕下にあり、中屋敷は三田一丁目にあり、下屋敷は深川や目黒や田町などにあった。この中屋敷で私は生れたのである。ちょうど今の慶応義塾の北隣の高台で、今はいろいろに分割されているが、あの総てが中屋敷であった。慶応義塾の下に春日神社が今でもあるが、あれが、私の産土神で、あの社へお宮参りもしたのであった。
私の幼時の記憶の最も古いのは、何でも二つか三つ頃に溝へ落っこちた事である。私どもの住んでいた小屋は藩から立てられたもので、勤番小屋、常府小屋に区別され各役相応の等差があった。